酵素の特性
酵素の特性を4つあげておきますので覚えておくといいでしょう。
1.生物だけが酵素を作り出せる
酵素は、ミネラルの周りにタンパク質が巻き付いた構造をしています(ミネラルの必要ない酵素もあります)。
中心となるミネラルやタンパク質には様々な種類があります。
酵素は人間の他に生きている生物だけが、体内で作り出すことができます。
2.酵素は熱で変成する
酵素の材料はタンパク質ですから、酵素の特徴としてあげられるのが、熱に弱いということです。
酵素は、おおよそ50~60℃で変性して働けなくなります。
タンパク質の例として卵の白味の部分は、熱をかけると白く固まります。
同じように酵素も、加熱されるとタンパクが変性して酵素でなくなってしまいます。
つまり、加熱した食べ物に、食物酵素は含まれていないということです。
逆に、新鮮な生の食べ物(野菜、果物、刺身など)には酵素が豊富に含まれています。
3.1つの酵素は1つの働き
酵素には、食べたものを消化・吸収したり、呼吸や筋肉を動かすという動作の手助けをするなどの大事な役割があります。
それぞれの酵素には一つ一つ決められた役割があり、それに特化しています。
消化酵素として有名なアミラーゼは唾液の中に含まれているもので、デンプンを分解する酵素です。
そのアミラーゼはタンパク質を分解することはできません。
タンパク質を分解するのは、プロテアーゼという酵素ですが、逆にプロテアーゼでは、デンプンは分解できません。
これを気質特異性と呼びます。
気質特異性は酵素の大きな特徴で、一つでも欠けてしまうと病気を引き起こしてしまうことがあります。
4.酵素の生成量は決まっている?
酵素はタンパク質を主成分として生成されるので、タンパク質を摂取していれば必要なだけ体内でつくられる、と考えられていました。
ところが最近の研究から、一生のうちに体内でつくりだされる酵素の量は、遺伝子によって決まっていることがわかってきました。
この一定量の酵素を「潜在酵素」と呼んでいます。
ですから、この潜在酵素を温存しながらいかに大事に使うかが大切で、これによって健康が大きく左右されるばかりか、寿命まで関係してるということです。